JIZE

パロアルト・ストーリーのJIZEのレビュー・感想・評価

パロアルト・ストーリー(2013年製作の映画)
2.8
小都市バロアルトを舞台に閉塞感漂う若者の不明瞭な蒼暗き鬱屈を繊細に綴る監督ジア・コッポラ初長編作品!!澄み渡る"間(雰囲気)"の上品な奥ゆかしさを賞賛!!(蒼き)脚本が駄目でしたかね..要は青春を謳う箇所は背景1本で十分事足りた。音使いや静寂な間の取り方は触発され世界観に刺激を走らせる薄暗き青春映画なんだが..人物が辿る最終的な目的性(カタルシス)も各々感情の起伏で外部の影響や第三者の介入など1歩引いた目線で意外性を秘めないため映画的な転調が抜け落ち割と退屈な想像通りの脚本。またお話自体は内気な少女が恋をした事で言葉で表せない"何か"が急激に芽生え未来への活路を見出す,徹底的に世界が圧縮され同時に若者たちの不穏が漂うドライな青春物。題材と密接に絡み合う若者たちのイチイチ敏感で歯痒い不透明感も清新で独創的ではあるんだけどほぼ101分間それが長続きし余韻的には窮屈。爆発(転調)を起こす迫真な場面もどこか登場人物たちの蒼暗い心情で覆い隠され学芸会な光景を寡黙で鈍重に映し出されている余韻も多数。ただ現代の若者像をリアルな歯痒い葛藤模様を等身大で刺激的に映し出したのはコッポラ家の新鋭ジアコッポラの見事な手腕に力強く思えた。青春の切れ端を刹那的に浴びせる"蒼い映画である"という事を前程に。まぁ飲酒運転で交通事故を起こし罪滅ぼしに社会奉仕活動に励むポジティブな一面も切り取られ話上で内容が全くない映画でもない。痛みを求め"今"を懸命に感じ生存意義を示す彼等の瞳,口調,言動の数々は後悔やどこか命の重大な価値を捨て生き急いでいるようにとれた。肉体を持て余し普遍的な苦悩を背負い日常を謳歌する不明瞭な危うい日々..思春期特有のジレンマが時に衝動的な狂気を宿し突飛な行動に手を染めては仲間たちを分裂させる。喜劇と悲劇の表裏を成す独特で繊細な現代の若者に是非観てもらいたい!(私もだが)あと絵力と音使いも神々しく最高!機械的な現代人がこの映画を観て生身の内から湧き出る狂気を凝縮し孕んだ底力を肌で味わってもらいたいですね。米国映画なのでオチも誠実なポップ性を感じた。G・コッポラ作品は今後も追いかけたいと思えた。次作に期待!エンドロールで流れる音楽も哀愁に浸れ気が和らぐ。雰囲気1本で凝り固まる不安な気持ちを解放させ背中を後押ししてくれる映画。お勧めです!!