Leo

きみはいい子のLeoのレビュー・感想・評価

きみはいい子(2014年製作の映画)
3.9
身近じゃないのにとても身近な出来事のように感じてしまう。
教室の雰囲気、保護者さんの電話、ママ友同士の会話、女の子がお母さんと一緒の靴を履きたがるところ、夕焼けこやけ、風鈴の音。何気ない事がとてもリアルに感じます。
そして映像の写し方がとても上手いです。照明の明暗の使いわけ、時々画面一杯にクローズアップされる子供たち。

さて、本題なんですけど、これはほんと胸が締め付けられるような思いが何度も込み上げてきますね。コップを割ってしまった女の子は、お母さんが怖いあまりに泣く事しかできない、それでも求める人は″お母さん″
こんな叱りかたしたら、絶対に心が卑屈になっていく。それを分かっていながら衝動を抑えられない母親は、過去のトラウマを引きずってしまったまま。なんともやりきれない気持ちになります。
父親に愛されない男の子が求めるものはやはり″父親の愛″。
そんな中、新米先生が少しずつ子供たちに対して真剣に考え、学び、成長していく姿は嬉しかった。

「いい子、悪い子」って誰が決めるんですかね?生まれながらの″いい子″を″悪い子″にしてしまうのはひょっとしたらその周りの環境じゃないのかな?
この作品は、これから心を養っていく子供たちから、責任ある大人への強いメッセージが込められた話だった気がしますね。
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