柚子

きみはいい子の柚子のレビュー・感想・評価

きみはいい子(2014年製作の映画)
3.7
子供が犠牲になる痛ましい事件の報道が後を絶たない中での視聴で、色々と思うところがあった。
子供の身に何か起こると、必ずと言っていいほど親は何してたんだ、学校・教員に責任がある、と非難轟々になる。
でもその程度で済むことじゃない。
両親が教育関係の仕事をしているので、教育の場において子供を取り巻く問題の複雑さを嫌というほど間近で見てきており、それが上手く描けていたなと余計に強く感じた。
虐待やネグレクト、貧困、いじめ、保護者のクレーム…
それらと全て本気で向き合っていくととてもじゃないが教員の精神が持たない。
生徒一人一人に向き合っている真面目な先生ほど心の病になってしまい、そうならないためにはある程度見て見ぬ振りをしなければならない現実がある。

ラストは希望を持たせるような締め方だったけど、きっとそうはならないだろうなと思う。
一人の児童の問題が解決したとしても次から次へと新たに問題を抱えた子供たちが小学校に入学してくる。
そして子供にとって虐待を受けたという事実は生涯消えることはなく、それがどれだけ深刻なことなのかは作中で虐待の連鎖として描写されていた。

これを視聴した後、子供がいる人にとっては子供を抱き締めたくなるだろうし、子供との関わりのない人にとっては困っている誰かに手を差し伸べたくなる映画だと思う。

終盤の宿題の感想を聞くシーンで急にドキュメンタリー調になっていたのは、実際に台本無しに質問していたのかな。
そこだけちょっとびっくりした。