ハレルヤ

きみはいい子のハレルヤのレビュー・感想・評価

きみはいい子(2014年製作の映画)
3.9
児童虐待、学級崩壊、認知症、自閉症など今の日本社会に根づく問題を取り上げたヒューマンドラマ。

1つのとある街を舞台に、小学校の若手教師、夫が単身赴任で娘と2人で過ごす母親、孤独に過ごす老婦人と大きく3つのパートに分かれて、それぞれが平行して進む物語。

テーマが重いだけに特に前半は、気分が沈んでしまう場面ばかり。母親の娘への虐待シーンなんかメチャクチャ辛かった。見るの止めようかなと思ったほど。

しかし評価がとても良い作品なので、ただ辛いシーンの羅列で現実を見せつけるだけではないだろうと思い、見続けているとそれぞれのパートで後半から徐々に見え始める光。

それが終盤での桜が舞う美しいシーンと素晴らしい音楽が合わさって、感動のラストに繋がっていきます。

キャストも皆演技とは思えないほどの自然で素晴らしい演技。特にあの自閉症の少年を演じてた子なんか、本当にそうなのかと思ったくらいでした。ってか子役の皆さんも誰もが本当に上手かった。

綺麗事ばかりではない今の世の中ですが、厳しい境遇に陥りながらも、最終的に大切なのは人と人とのつながり。ほんの少しの何かがキッカケで救われる事も多いんだという事に気付かされます。

いつの時期においても必要とされるような作品だと思うし、胸が痛くなるようなニュースが相次いでいる今の時期だからこそ尚更響くものがある作品でしょう。特に30〜40代の年齢層の方なら、より一層この作品に対する思い入れが深くなると思います。
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