Yuri

きみはいい子のYuriのレビュー・感想・評価

きみはいい子(2014年製作の映画)
2.0
冒頭から、尾野真千子の演技に圧倒されました。怒りが、沸々沸き上がって、爆発してしまって、でも、殴る手も心も疲弊している様が、真に迫っていました。描写の仕方も、マンションの廊下に吸い込まれていく様子が、孤独な二人きりの世界に戻らざるえない状況、二人が抱える恐怖、孤立感が、印象的に描かれていました。一気に物語が転がるのかと思いきや、そこからは、日常のループの描写が繰り返されて、淡々としているので、呉監督らしい寝てしまいそうな時間でした。日常の中で、僅かづつ前進していく様を描いていて、一見動けないでいるように見える雅美も、身体からヘルプ信号を出すことで前進している、そんな話でした。でも、これなら、映画じゃなくて、短編ドラマでもいいんじゃないかなと思いました。子どもの描き方は、是枝監督なんかと比べてしまうと、居心地の悪さが漂うぎこちなさがあり、気になりました。皆が、余裕がなくて、自分で一杯一杯の昨今で、誰かの信号に気付いて、行動することは本当に難しいけれど、大人の包容は、子どもにとって、必須で、子どもの温もりは、どんな大人の渇いた心にも、絶大なんだなということがわかる作品でした。