タナカリエ

きみはいい子のタナカリエのレビュー・感想・評価

きみはいい子(2014年製作の映画)
4.6
呉美保監督はどうしてこんなにも刺さるのか…
「そこのみにて光り輝く」ががん刺さりだったのですが
今回もめちゃめちゃ痛いくらいに刺さる言葉ばかりです
本当、一文一文書き留めていきたい。


認知症初期の一人暮らし
障害を持った子どもの母親
両親から暴力を受けて育ち、自分の子にも手をあげてしまう母と
同じ境遇を持ちながら救いの手を差し伸べる母
前途多難すぎるクラスを持った1年目の小学校教員
沢山の問題と、一歩踏み出せない葛藤


仕事柄障害を持った子どもたち、そしてその保護者と関わることも多く
きちんと描写がされるのか不安でもありましたが
脚色なく温かな支援級が描かれていたのではないか、とおもいます。

また障害を持った子どもを演じた加部亜門くん!
今回のMVPではとおもうほど演じ切っていました。
障害を持つ子が脚色されることなく
面白おかしくされることもなく
真摯に受け止めて演じたんだなって
当時12歳…?
天才子役となぜ賑わうことがないのか…


そこのみにて光り輝くでも同じことを思いましたが
本当に身近にある、すぐ目の前に落ちているような問題を取り上げ
そしてこんなにも切実に語りかける映画が何故もっと評価されないのか…

尾野真千子と池脇千鶴もいつもの感じ自分のリズムではなくなんとなく違うリズムに乗せられて演技しているのも
監督の身技なのかなぁ。

呉美保監督あっぱれ…