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マルティニークからの祈りのLEGIONのレビュー・感想・評価

マルティニークからの祈り(2014年製作の映画)
3.0
言葉も通じない異国の地で、身に覚えのない罪で投獄された平凡な主婦の苦闘を描いた物語。一人の女性の実体験を元にした作品だけあって主人公の戸惑いや苦しさがリアルに表現されてるように感じたが、映画としての魅力はあまり感じられなかった。異国で言葉が通じず状況を理解できない、職を利用して性的暴行を受ける、囚人たちからの集団いじめに遭うなどの様々な危機に直面し、ひどい仕打ちを重ねることで悲しさが増すような映画として面白みのある演出だったが、話が平行でストーリーの展開がこの作品の構成に含まれていなかったから面白味が半減してるように感じた。妻の刑務所生活と夫の妻を刑務所から出そうとする行動が同時に描かれるわけだが、どちらも出来事①の後に起こる出来事②が出来事①を生かしたものになっていない。0→1になったら次の場面でまた0→1で描かれるから見づらさがあった。
身に覚えのない罪で主人公は捕まるわけだが、この作品から目の前にある成功が大きければ大きいほど危険さを増すと知った。確証のないことに信じる事がどれほど愚かなことかも知った。主人公は金の原石だと思い込んでいたと描かれているが、他国に運ぶなら薬物と金、どちらにせよ違法なのだからと感じてしまい、あまり主人公に感情移入できなかった。
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