イスラム教国から見えるテロの実相。
イスラム教国のトルコ、そのトルコ国家情報機構のイスラム過激派テロ組織との闘いを描いて目を見張るものがある。
多くの映画で描かれるテロとの闘いは、西側諸国の正義に基づく。日本に住む私達が接する情報も欧米諸国が発信しているものが殆どと言える。だからイスラム教と言うと十把一絡げに危ない、怪しいと思っているところがありはしないか。
映画では、トルコの大都市イスタンブールで起こった過激派の自爆テロを、対テロ特務捜査官が極秘の潜入者を使って捜査して行く。
自国の諜報部だけでなくドイツ、英国等国際的な連携も軋轢も緊密にある。
欧米の正義だけが決して唯一のもので無い事の当たり前が、見せつけられる。
原題は「LABIRENT」、トルコ語で迷宮。邦題の感じはちょっと違うように思う。
スピード感のある展開とリアルな尾行、銃撃戦は監督トルガ・オルネックがドキュメンタリー出身だからか。一級のスパイサスペンスの仕上がり!!
日本劇場未公開。
シルクロードの彼方の国、遠い東の果てからは見えにくいイスラム教国の苦悩が胸に迫る。