アキラナウェイ

ニンフォマニアック Vol.2のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)
4.4
色情狂ジョー(シャルロット・ゲンズブール)の"性"の回顧録を描いた第二巻。

ジョーはジェローム・モリス(シャイア・ラブーフ)と結婚し、一児の母となるが、度重なる性行為の果てに突如不感症となってしまう。再び性の悦びを取り戻そうとジョーは様々な手段を試みるが—— 。

性は更なる高みへ。

もうおセックスどころの話ではない。
おSとおMの世界に没入していくジョーが凄い。

秘密のSMクラブを営む男を演じるは、何とジェイミー・ベル!!かつての純真無垢なリトル・ダンサーがドSの権化を演じとる!!

本番行為をそのまま映している事に驚愕を覚えたが、ムチ打たれるこのシーンの衝撃たるや…。

ちょ…。
これマジでお尻ぶっ叩いているよね…??

力を込めた一振りを繰り出す度に、赤く腫れ上がる肌。見る見る内に血が滲む。シャルロット・ゲンズブールの女優魂、ここに極まれり。あまりの痛々しさにこちらが根を上げてしまいそう。

幼い息子がいるのに、衝動を抑えられずに夜な夜なSMクラブに通い詰めるジョー。頼んでいた筈のベビー・シッターが来なかった日も、我慢出来ずにジョーは子供を部屋に残し、出掛けてしまう。

嗚呼…!!
どんだけ心臓に悪い作品なんだ!!

極め付けはラストシーン。
これぞランス・フォン・トリアーと言わんばかりの最高に皮肉めいたバッドエンド。暗転する画面。ジョーの話を聞いていたセルグマンを演じたステラン・スカルスガルドの呟き。

最 高 か ! !

共感などとても出来ない。
なのに心揺さぶられ、感情の針が振り切れてしまう程の衝撃。それはシンクロ率0%でエヴァが機動するのと同じ。

そんじょそこらの作品じゃ感じなくなってしまったアナタにこそお勧めしたいド変態な逸品。

バレンタインデーに、なんつー映画を観ているんですか?という野暮な質問はお断りします。