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ルパン三世 ワルサーP38のmitakosamaのレビュー・感想・評価

ルパン三世 ワルサーP38(1997年製作の映画)
3.4
この時期のルパンにしてはかなりのハードボイルド。
と同時にテレビスペシャルが恒例化して、ルパンという作品をどうすれば面白くなるか、の試行錯誤期の苦労がよくわかる。

ルパンは万能の怪盗ではあるが、ただ強い敵を出すだけじゃ面白くならないんだよね。強さがインフレしていくだけ。
要はルパンを弱体化させピンチを演出することも大事。今作はそこが面白い!

偽の予告状の確認のためパーティに赴いたルパン。某国大統領は暗殺され、銭形は過去にルパンが持っていたワルサーP38に射たれる。
事件の謎を解くため暗殺集団“タランチュラ”の基地に行くが、逆に毒を盛られ敵の言うなりに成らざるを得なくなる。
かなりのピンチの連続。

また銭形を物語からドロップアウトさせたのも上手。怪我をさせルパン逮捕の現場に行けなく、無理をして行動しようとするたびに怪我を重ねる。テンドンのギャグも面白い。毎回コメディリリーフとしてウロチョロされても邪魔なだけだし、たまにはこういう方向もアリだと思う。

ルパンや反組織の反撃作戦と更なるどんでん返し。脚本も演出も実に上手い。ラストが若干の尻切れとんぼ感はあるが、それでも秀作だと思う。
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