アメリカンスニャイパー

パシフィック・リム アップライジングのアメリカンスニャイパーのレビュー・感想・評価

3.9
心配だな...ボイエガ君が
“KAIJU”じゃなくて“MONSTER”って言ってるし。
また謎の中国人出てるし、大丈夫だろうか?


と言ってましたが、パルクールな奴さんと観てきました。
噂では「前作を越えられない」とか「ジン・ティエン要らねーよ」とか言われてましたが、正直、良くできた続編でした!前作の吹替え声優が粋な配役だったので吹替えで観賞。

今回は正体不明の“ニセイェーガー”の登場から熱い展開!これは特撮、ロボアニメファンには堪らない設定!しかも強くてカッコいい!黒塗りにオレンジラインなんて悪さと底知れぬパワーを感じさせてフェイスプレートの牙のようなデザインがGood!コードネームも「オブシディアン・フューリー」“怒りの黒曜石”というメチャ良いネーミングセンス。あと中国産だからニセモノっていうね(笑&悲)その正体を知ったときにも嬉しくなるに違いありません!

量産型イェーガーこと「ドローン・イェーガー」!白塗りに量産型なんてどうしても『エヴァンゲリオン劇場版』を彷彿としてしまう!結果はもちろん観てのお楽しみ!

そして本作のカイジュウは三体!
それぞれ能力があり、
「ライジン」は巨体と硬い外骨格を生かした攻防一体の突撃型。受けたエネルギーを反射させる能力も!
「シュライクソーン」は尻尾のトゲをミサイルのように発射して中距離支援!
「ハクジャ」は地底怪獣!穴を掘ってイェーガーを奇襲する!
そして究極の三体合体!メガ・カイジュウ!(玄田風)
『ウルトラマンガイア』の“キングオブモンス”『仮面ライダー龍騎』の“ジェノサイダー”のよう!

デナイ監督が初監督ということだが、ちゃんと前作の世界観を継承している。歯車や重い真鍮といったギレルモ味は無くなったものの、新世代イェーガーとしての軽やかな動きやジャンプを駆使した戦いはスピーディーで表現豊。鉄人28号の無骨さがガンダムまで届いたといったところか。

しかし、本作においてのパイロット同士の繋がりというものは薄いかなと感じる。兄弟や親子、夫婦といった関係性ではなく全員訓練生なのだ。「チームは家族だ」というフレーズも出てはくるが、印象は薄い。その割にニュートンとハーマンの博士コンビは今回も健在!
前作の英雄ペントコスト司令の息子が本作の主人公。スコット・イーストウッドや真剣勇君が出ているあたり、物語でも描かれていた“父親をどうやって乗り越えていくか”というテーマにも繋がっていきそうだったが、もっとそこに踏み込んで欲しかった。
殉職した仲間への追悼シーンだとか、人命救助シーンが欲しかった所も否めない。

<ここからネタバレアリの感想です。観た人はブレインハンドシェイクしましょう!>



“量産型イェーガー”はエヴァンゲリオン3号機を乗っ取ったバルディエルを思い出させます!変形菌を想わせる怪獣とメカトロニクスの融合!バイオメカニカルな半機械半生物の動きが最高!

やはり僕が一番共感したのは怪獣大好きニュートンですね!始めは防衛軍と協力していたのに私生活での不満憤りから怪獣へ救いを求めていき、最終的に怪獣側の協力者となってしまう。
これ特撮好きな人はわかると思うけど、最初ウルトラマン目当てで観ていたのに、次第に怪獣や宇宙人を応援しているということありませんか?居場所を探していた怪獣が倒されたり、人間の傲慢さ故に追いやられた宇宙人とか観ると半間贔屓してしまうし、“こんな世の中だったら怪獣に壊してもらった方が清々する!”というような人生リセットしたい感もある。
そしてビルの上から合体獣メガ・カイジュウを応援するニュートン!あれはまさに僕です!
あと怪獣と目が合う男はだいたい殺られる(土屋嘉男さんや阿部寛、女性だと怪獣の方がデレデレする)のに今回はセーフでしたね(笑)

地球を滅亡させる可能性を秘めたトリガー『FUJIYAMA』をもってる日本危ないっ(汗)

【追記】
デナイト監督が“イェーガーが中指立てるシーンは切りたかったがダメだった。”ってTwitterで言ってたよ。