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パシフィック・リム アップライジングのvilljobbaのレビュー・感想・評価

3.7
前作から徹底的に差別化されているのが良い。
イェーガーがスタイリッシュになって、敵の方も単にKAIJUの強さをインフレさせるだけじゃなく、謎の〇〇が出てきたりと多彩でおもしろい。

キャストも一新して若い世代が活躍し、前作のキャラを目立たせすぎない点も潔い。
そんな新キャストも魅力あって、キャラ立ってた。ウィルスミスのようなカッコおもしろい黒人主人公としてのキャラを確立させたジョンボイエガ、短いシーンの中で悲しい過去と精神的成長がしっかりと見て取れるケイリースペイニー、俳優の名前とかは全く分からんけどそれぞれ短いシーンでキチンと目立って活躍した訓練生たち。

このシリーズにおけるストーリーというのは、イェーガーとKAIJUが大迫力の中二病バトルを繰り広げるための口実に過ぎないので、ツッコミどころ満載なのはそれほど気にならない。
……はずだけど本作はそれにしてもツッコミたくなるシーン多かったな。別にいいけどさ!

しかし、点数をそんなに高くしなかったのは、肝心のバトルシーンの規模が原因。
もちろん映画館で見ると、もう清々しいくらい大迫力の都市破壊バトルが最初から最後まで盛りだくさんでお腹一杯になれるんだけど、敵の絶望感が足りない。
正確に言うと、ラスボスが拍子抜けすぎる。
序盤に出てくる最初の謎の敵は、ミステリアスさとスタイリッシュさが合わさって最高だった。そして終盤、黒幕が本性を現しつつ大量の〇〇〇〇が敵として登場する一連のシーンの絶望感が最高。
しかし、あっさりと解決し次の敵(ラスボス)に展開が移る。明らかに弱体化している。
あのまま大量のアイツらをラスボスにしてくれて良かった。
ただ、ラスボス戦の舞台が例のあの都市なので興奮した。地理的なツッコミどころは誰もが抱くだろうが。
次回作を予感させるラストのラストは興奮した。

本作は中国資本のおかげで実現した続編なので、最近の大作映画に倣い中国色が濃いんだけれども、それでも本作は日本の存在感が濃い。
巨大ロボットやKAIJU文化はほとんど日本発祥も同然だからである。そういうのを愛する奴らが本作を制作し、鑑賞するからである。
中国のように大金を払わなくても自国の文化の宣伝ができるのだから、サブカルチャーを世界に発信することがどれほど大事かよく分かる。ありがとう昔のジャパニーズロボットオタクたち。


パシフィックなのに、最初のUNIVERSALロゴで大西洋しか映ってないぞ!
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