『パシフィック・リム アップライジング』は2013年に公開された巨大モンスターSFアクション映画「パシフィック・リム」の続編。太平洋の大地の裂け目から出現した怪獣(KAIJU)と人型巨大兵器「イェーガー」との死闘が終了して平和になった10年後の世界を描く。
日本語の怪獣(KAIJU)という名称がそのまま使われていることもあって、日本の特撮映画(ゴジラやウルトラマン)、アニメーション映画(エヴァンゲリオンやガンダム、攻殻機動隊など)の影響を色濃く受けており、いたるところでオマージュや敬意を感じることの出来る作品になっています。
それでも続編(二作目)の難しさはどの作品にも共通するところがあって、前作は今まさに目の前に起こっている危機に立ち向かう物語だったのに対し、今作は平和になった世界に新たな脅威が出現し、新世代の若きパイロット達がイェーガーに乗り込んで戦うストーリーが軸になっているので緊張感や重厚感はやや薄れてしまった印象。
前作が特撮映画のど真ん中であるなら、今作はロボットアニメーション映画の実写版とも言えるかもしれません。
新旧入り混じるキャラクターも魅力的ですが、物語の前半は新たなキャラクターを掘り下げる必要があったためかやや退屈。
ただ、謎のイェーガーが登場し怪獣(KAIJU)の影がちらつき始める後半は、まるでサスペンス映画のような謎が頭の中を駆け巡り俄然面白くなってきます。
最終決戦地はJapan, Tokyo(東京)&Mt.Fuji(富士山)。正直日本の描き方というか距離感と大きさがいい加減過ぎるのではと思わなくもないですが、次々と壊されてしまう高層都市と格好いい戦隊アクションは魅力的。
前作からのテーマソングもここぞというところで流れ、最後の最後で続編の流れも匂わせていますが、ぜひ映画館の大画面で観てほしい作品です。