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パシフィック・リム アップライジングのmaverickのレビュー・感想・評価

3.7
前作の監督で、ヒットの立役者であるギレルモ・デル・トロが降板と聞いた時は終わったなと思ったが、彼の意志を継いだスティーヴン・S・デナイト監督も根っからの特撮オタクだった。それは本作を観ればよく分かる。恐らく知らずに観た人は監督が代わったことなど気付かない人がほとんどだと思う。それだけ前作から大きく路線変更せずに無難に、かつ大胆に作り上げたなと思う。素晴らしいのはきちんと特撮っぽくなっている所。巨大ロボと怪獣とのバトルはCGでありながら、日本の戦隊ものやウルトラマンなどの特撮アクションを感じさせる質感が分かっているなと思わせる。日本に向けたリスペクトも多数盛り込まれていて嬉しい。前作にきちんとリスペクトを捧げ、大事に残す部分と大胆に脚色した部分とのバランスは結構良かったと思う。それでいて残念なのは、ギレルモ監督ほどのアートさが無い所。本作の監督が悪いんじゃない。これだけのエンタメ映画をきちんと作れるのだから映画監督として世界レベルなのは間違いない。しかしギレルモ監督は巨匠であり、芸術家なのだ。同じ特撮オタクでも、ギレルモ監督独自の巨大ロボや怪獣の造形の美しさは比べると如実に違いが表れる。作品そのものも芸術性が段違いだ。本作のストーリーも取ってつけたようなありきたりなものではあるし。まぁそんな違いは余程の映画好きでないと気にならないだろうけどね。本作は無難に楽しめるしエンタメ映画としては全然問題がない。大コケしないか心配だったが、自分としても楽しめたし割と満足。続編もあるような感じだけど、いっそのことゴジラのように定期的に作品出してほしいかも。
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