ベルサイユ製麺

パシフィック・リム アップライジングのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

3.5
ドキドキしながら書きますが、前提として…
もそもそ『パシ・リム』ってそこまで好きでも無いかもなぁ…ってのがありまして。
吾輩もボンクラの嗜みとして、カトキハジメのデザイン画を結構長時間眺められたり、好きなウルトラ怪獣もパパッと五体くらい(成田亨デザインばっかり)は言えるくらい、それぞれの要素は好きなんです。だからって、ねぇ…という。個人的には勿論前作は楽しめたのですが、正直“あの天才デルトロをもってしてもこの位なのか…”という印象でした。
ましてや、そのデルトロが抜けた続編というのは如何なる出来なのか、と心配だったのです。

実際観てみると…うん、まあコレでいいよ感。
…超有名料理漫画『美味しんぼ』のハンバーガーを作るエピソード。最上級の牛肉でハンバーグを作って、それをごく普通のバンズに挟んで提供したところ評判が全く良く無い。「なんか調子狂っちゃうんだよな」との事…。寧ろ普通のハンバーガーの方が評判が良いくらい。試行錯誤の末に分かったのは、パーツ毎のクオリティにバラツキが有る物は、クオリティが低く統一・調整されたものより評判が悪い、という事だったのでした!(←雁屋哲お得意のデータ皆無の希望観測でしょうが)
…ということで、この続編は、まさに本来の作品コンセプトにピッタリの丁度良いバカ映画に仕上がっております。登場人物のありきたりさも、内圧の高まらないストーリーも、カッチわりーロボットも、生活感の感じられない街の描写も、それ故の危機感の薄さも、全て(そこそこに)噛み合ってる。こんなもんです。ちょっとロシアSFを思わせる絶妙のついて行けなさも感じましたが、元々無理筋のお話なのです。しょうがないんす。こんなもんなの!
個人的にはサーガ化して気楽に続編バンバン作って欲しいです。ニール・ブロムカンプとか結構イケるんじゃ無いかしら?あとマックGとか。

更に言いにくいことを、ついでみたいに言いますが…
イェーガーって(特に今作のは)めちゃくちゃカッコ悪くないですか?最先端でもオールドスクールでも無い、全く狙いの分からないデザインになっているように感じてしまう。色もプロポーションもディテールも、何周しても全部ダサい。
更に言っちゃいますが、アメリカ人ってロボットを只の道具だと思ってないかな?『ベイマックス』観た時も思ったんだけど、なんか使い捨てっぽいの。器に魂は宿らないのか?最後ロボットが粗末に扱われる度に心が痛くなってしまいます。それはハッピーエンドではない!ロボを崇めよ!(マグノリアのトム・クルーズ風に)
無い事を言ってもホントに不毛なだけだけど、藤子・F・不二雄原作・脚本のパシ・リムなんて有ったら最高だろうになぁ…🤖