風来坊

パシフィック・リム アップライジングの風来坊のレビュー・感想・評価

3.5
前作はデル・トロ監督の日本のロボットや怪獣の映像作品に対する引くくらいの愛情とこだわりに満ちた作品で熱量が凄まじかった。
それに比べると本作はストーリー面での熱さはなく、単純にロボットと怪獣の迫力ある戦いを見せるだけの映画になっています。
これはこれで面白いのですが、前作のダークでマニアックな世界観が好きだった方には大味過ぎて評価が低いのも頷けます。

前作は主人公の二人の背景に熱いドラマがあってイェーガーに乗り込む必然性を感じましたが、本作の主人公にはあまり熱いドラマがなくあまり必然性を感じません。やはりチャーリー・ハナムさんと菊地凛子さんのコンビが最強だなぁ。多分、もう超えられないんじゃなかろうか?

中華ゴリ押しキャストだけどジン・ティエンさんは相変わらず綺麗で画面に映える。最初はメイクと髪型のせいでケバく見えるますけど。女性はホントにメイクで変わりますね。
マックス・チャンさんも出ていてカッコいいが出番少なくて残念…。

真剣佑さんは特に見せ場も台詞もなく…完全に日本のファンへの微々たる配慮的なキャスティング…。
当たり前ですけどスコット・イーストウッドさんお父さんの若い頃そっくりでどうしても目がいきます(笑)

中国資本臭は気になるけどお本編と同じで、お金持ってるんだから仕方ないですねぇ。おかげで日本人キャストは憂き目にあっているが…おまけに東京も(笑)
それにしてもあそこへ行くのにわざわざ東京通らなくても、太平洋側から静岡通れば近道なのに…。映画的な盛り上げは分かるけども(^_^;)

デル・トロ監督は暗い夜の戦いをメインにしていましたが、デナイト監督は対照的に明るい昼下がりの戦いをメインにしています。
前監督に対する違いをアピールする挑戦的な気概は良いと思う。
ダークな雰囲気は無くなったけど、明るい昼の戦いは見やすくて良かったです。

前作はイェーガーの重量感を出すためにスピードは抑え目でしたが、本作は重量感よりスピード感を出していて差別化を図っています。イェーガー同士の戦いも新たな感じでスゴく面白い。あの展開は結構驚きでした。

待ちに待ったチャララーラーラー♪のテーマ曲と始まる怪獣との決戦はスリルと迫力満点。テーマ曲は変なアレンジしていてがっかりでしたけど…。
VFXは相変わらず素晴らしい出来で世界観を彩っています
前作よりはストーリーに中毒性はなく決着もあっさりで余韻ないけど、ロボットアクションに特化していてこれはこれで楽しい映画でした。
風来坊

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