バナバナ

マイ・インターンのバナバナのレビュー・感想・評価

マイ・インターン(2015年製作の映画)
4.0
日本では、特に地方は共働きが一般的なので、若い世代は奥さんの実家の敷地や傍に家を建てる。
妻から見ると、旦那の親よりも自分の親の方が言いたい事が言えるし、もし喧嘩しても後に残らないからだ。
しかし、アメリカでは両親が死にでもしない限り、祖父母が子育てを手伝うなんて事は無い。幼稚園の送り迎えさえもしないみたいだ。

主人公ジュールズは、自分でネットに衣料品の通販サイトを立ち上げて成功させた。ジュールズの家庭では、夫が会社を辞めて専業主夫をしている。
NYでは共働き率が高いから、通いの家政婦さんやシッターさんを雇っている人が多いと思われるが、旦那さん、浮気する位ならどうして雇わないのかな、と思った。

ジュールズの会社に熟年インターンとして70歳で入ってきたのがベン。
ベンは男性だけど、人間の機微に敏感で、細かい事に注意深い(オネエの人みたいに)。
最初はお荷物みたいに思われていたけど、出しゃばらずにサポートしてくれるベンは、若い社員達や、社長のジュールズからも信頼を得ていく。
しかし、ハリウッド映画でベンというキャラクターに焦点が当てられるという事は、アメリカでもこんなに頼りがいのある熟年の人が少ない、という事ではないのか。

実際、再就職というのは、よっぽどおかしな人でない限り、人間性よりも今の会社に必要なキャリアを持っているかどうかで判断されて、採用される場合の方が多いだろう。
日本でもアメリカでも、再就職で入ってくる様なベテランの方の中には、ベンの様に痒い所に手が届く人よりも、
どちらかというと威張りん暴だったり、自分が如何にすごかったかを繰り返し言いたがる人だったり、
もしジュールズの様な若い女性社長だったら、嫉妬して、些細なミスを見つけては嫌味を言う人の方が、現実では多い様に思う。
なので、この作品は、こういう人が増えたらいいのにね、という理想の形なのだろうと思う。

しかし雇う側も、キャリアだけに惑わされずに、そういう方を見極める目が必要ではあるけれど。
バナバナ

バナバナ