こぼちゃん

マイ・インターンのこぼちゃんのレビュー・感想・評価

マイ・インターン(2015年製作の映画)
4.2
監督・脚本・製作はナンシー・マイヤーズ、通販会社で成功を収めた有能な女社長と定年後人生を謳歌していた70歳のシニアインターンの話。

ロバート・デ・ニーロは、無名の時に『ゴッドファーザー PART II』で助演男優賞、『レイジング・ブル』で主演男優賞と二度、アカデミーを受賞。目でものを語れる優れた演技力と一言の重さ、必要なら、30kg痩せてボクサーの演技もこなす実力派。さらにマフィアや犯罪映画だけでなく、コメディや芸術作品にも多数出演し、賞をもらっている。

アン・ハサウェイは、『プラダを着た悪魔』では鬼編集長のアシスタントを演じ、『ラブ & ドラッグ』では美しい白い肌と難病と戦う美女、『ダークナイト ライジング』ではセクシーでアクションの出来る怪盗、『レ・ミゼラブル』ではミュージカルに挑戦し、第85回アカデミー賞助演女優賞を受賞。

服を試着してのコメント付きブログが人気となり、NYで女性向けファッション通販サイトを運営している女社長のジュールズ(アン・ハサウェイ)は、短期間で会社を拡大させることに成功し、寝る間も惜しんで忙しい日々、子供もいて幸せだが夫の浮気で悩んでいた。

そんな彼女の会社に、40年間も電話帳の会社で働いていた70歳の老人ベン(ロバート・デ・ニーロ)が、シニア・インターン制度で採用されてやってくる。若者ばかりの社内で当初はやや浮いた存在のベンだったが、いつしか彼はその誠実で穏やかな人柄と細やかな仕事ぶりによって、社内の人気者になっていく。

人数が少ない時から立ち上げたベンチャー企業だから、広範囲に様々な仕事の知識があり忙しい社長のジュールズ。成長期で社員も若いから、所処に足りない処もある。また、社長の苦労を分かち合える盟友や、社長と言えど女性だから、話を聞いてもらいたい時もある。

ベンは、今は無くなった電話帳の会社だが、財務諸表の分析や人材管理はどの会社でも同じ。加えて、紳士的で優しく、相手の気持ちを考えられる人。会社の専属マッサージ士の女性とも、素敵な恋を始める。

私も、日本と北欧の合弁会社に出向し、最初は14名で起業。人数が少ないから、やることは多いし、お金があれば導入したいシステムも沢山。海外の商品なので、全国展開するには、各地域での文化や言葉でないと良さが伝わらない。社員の経歴や背景もバラバラ。通販ではないですが女性7-8割なので、立ち上げ時は苦労しました。

だから、社長のジュールズの会社での悩みも、家庭での悩みも、共感できる。人は感情の生き物だから、理屈だけでは動けないもの。サポートのベンも、公私で幸せをものにして、素敵な作品でした。
こぼちゃん

こぼちゃん