mimitakoyaki

シークレット・ミッションのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

シークレット・ミッション(2013年製作の映画)
3.7
「愛の不時着」でカメオ出演してたキムスヒョン。
アホな青年を装って韓国でスパイ活動をしている本作の役そのままで愛の不時着にも出てきたと話題になってました。

「サイコだけど大丈夫」では、暗い過去を背負い自分を抑圧して生きてきた青年の役だったので、明るい笑顔を見せるシーンも少なかったですが、本作では、北のエリート工作員が貧民街でアホな青年を装うという設定なので、全力のアホになりきるキムスヒョンの振り幅の大きさに驚かされました。

スパイとして韓国に潜入してるのですが、住み込みで働かせてもらってる商店のお婆さんをはじめ、貧しい街ですがそこに生きる人たちとの交流が生まれ、北朝鮮での厳しい日常の中では決して味わうことのできなかった、ささやかな幸せや穏やかな日々を重ねるうちに、気持ちにも変化が生まれてきます。

前半はコメディで、後半からは祖国からの命令をきっかけに、ハードな展開となっていきますが、そうした「適国」の人たちとのあたたかな関係や絆にジーンとくるし、同じ街に別の任務でやってきた工作員たちとの友情や、キムスヒョンのムキムキな素晴らしい肉体とか、ボッサボサの髪を切ってからのイケメン本領発揮なキムスヒョンとか、かっこいいアクションとか、いろんな要素でポイント重ねてトータルでなかなかの満足感が得られるし、キムスヒョンの多彩な魅力が拝めて楽しめる作品でした。

「愛の不時着」でカメオで出た時は、ラーメン屋でバイトしてる北のスパイの設定だったので、もしかしてこの作品のその後だったら良いのになーとか思ったり。

「梨泰院クラス」ではパクセロイのお父さん役で散々泣かせてきたソンヒュンジュが北の教官役で出てきたり、「応答せよ 1988」ではお調子者の父親だったキムソンギュンが、本作では国家情報院の捜査員役で出てきて、ピンカラ兄弟 宮史郎のような髪型とは違ってて今回はかっこ良く、全然印象が違い若かったのでギャップに驚きました。
キムスヒョンもそうですが、俳優って役によってこんなにイメージが変わるのかと思いましたよ。

まあでも、結局内輪揉めやんか、というところでは任務とか陰謀とかのスケールが小さい感じがあったり、国家情報院はそんなに優しいのか?とか思ったり、北の工作員があの小さな街にどんなけおるんや?とか、ちょっと疑問に思う点もいくつか。
この任務ってそんな理由?そんな事のために犠牲になる若者たち、というところでは確かに悲劇性はあるんですけどね。

60
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