とりん

ライフ・アフター・ベスのとりんのレビュー・感想・評価

ライフ・アフター・ベス(2014年製作の映画)
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2020年75本目

不慮の事故で恋人ベスを亡くしたザックは途方に暮れていたが、彼女の家で死んだはずの彼女の姿を目撃する。
最初は頭がおかしくなったのかと疑っていたが、これは神様がやり直しをくれた機会だと思い、これまで以上に彼女と向き合おうとするが。

死んだはずの恋人がゾンビになって帰ってきたら…そんな奇抜な設定のホラーとラブコメをミックスした作品。
なかなかにフックを効かせた作品で面白かった。
ゾンビ映画はたまにこういうズレた設定を持ってくるのがいい。
ありそうでなかった恋人がゾンビになって帰還、しかも最初はゾンビと思えないほど普通に生活していて、不可思議な点は記憶が曖昧な程度。
だからこそもう一度向き合おうとするが、次第に彼女が壊れていく。
ザックも彼女がゾンビになってないか、お腹が空いたか、何が食べたいかなど確認しているのもなんだか笑えてしまう。
結局ゾンビになってもかなり生前の記憶は残っているようで、超人的なパワーを持って暴れまくる。
これがまたあまりないパターンで面白い。
しかもジャズが好きだとか、泥に囲まれると落ち着くだとか変な設定も盛り沢山。
ザックの少しズレた愛の形にもクスりとしてしまうし、ベスの両親のどうしても娘を守りたいという親の愛というのも伝わってくる。

ゾンビの原因も全然明らかにならないし、定番の人を食べるシーンも皆無だけど、この映画はそれがなくても異色ゾンビ映画として成り立っている。
王道を逆手に取った新しいタイプのゾンビ映画である。
現実のゾンビとしての立ち位置であるハイチやブードゥー教について触れられているのも肝である。
あとまさか後半でアナ・ケンドリックが出てきたのには驚いたけど。
とりん

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