恋をする男女(特に女性)の細やかな心の動きを溢れる会話と表情から、すっと染付したようにあらわにしていく...エリック・ロメールの十八番とする技術がすべて詰まった、個人的には彼の作品の中でも最高傑作に感じる一本。ラストシーンの服の色を筆頭に、VHSの荒れた画面でも判るような鮮やかな色彩の対比で「言葉で語る以上に理解させる」粋さにはもう嫉妬すら覚えるレベル(笑)。自分の型にこだわりすぎて前に進めないブランシュと現実的なレアとの対比、いろいろ守り通していたのに結局...という話の展開も、終始クスクス笑えて飽きることがない。
