磔刑

ダーク・プレイスの磔刑のレビュー・感想・評価

ダーク・プレイス(2015年製作の映画)
1.7
「暗いよ狭いよ面白くないよ」

真相にかなり近いた段階で「ヤベー、これ大したオチないヤツや」とか思ってたら、何やねん“殺人請負人”って超鋭角な結末。

過去や記憶、家族のいざこざ、悪魔崇拝やら何やらやってきて、それらとは全く関係ない人物放り込むんやったら別に真犯人が宇宙人とか、KGBとか、夢オチとかでもええ話やん。まぁ、確かに伏線らしきものはあったけど、アレは伏線と言うよりはオチが思いつかなかった時の予防線のような気がするんだよね。で、色々やってきた(風呂敷は広げた)もののオチが思いつかなかったので、しゃーない感で落とし所をそこに持っていったみたいな。

そもそも、家族とその周辺のトラブル。主人公とその兄の記憶と証言の真偽。その中に秘められた真実がどうのこうのって話だった筈が、主人公も兄貴も認識してないポッと出の名もなきおっさんが犯人って…。そんなん予想できるワケないし、ミステリーの禁忌を犯してるだけではないか。なのでオチを聞かされても「あ〜あ…」って、ため息混じりの哀れみの言葉しか出んかったわ。
それにそんなワケのわからんヤベー奴と繋がりのあるオカンが作中一番ヤベー奴やん。その短絡的且つ、理にかなってない思考を回路含めて。

出だしからオチまでずっと低調で、話が二転三転と勢い良く転がる訳でもなく、主人公が窮地に追い詰められハラハラする事もなく、盛り上がり皆無の作品である。それを我慢して観てても、そのネガティブな印象を払拭する程のサプライズと呼べるオチも無い。作品の要のハズの人間ドラマもそれを構成する多くの人物がミスリードのために作為的に作られたような印象を受け、全く心に響かない。

ごくごく真っ当なB級サスペンス・ミステリー。シャーリーズ・セロンが主演だったから何とか完走できた。
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