イペー

ドラキュラZEROのイペーのレビュー・感想・評価

ドラキュラZERO(2014年製作の映画)
3.2
串刺し公のifに畏怖!

ドラキュラ誕生の秘話を、家族愛のドラマと、スタイリッシュな映像で描くアクション映画。

迫り来るオスマン帝国に対抗するべく、悪魔と契約し、トンデモパワーを手に入れるヴラド公。
血への渇望が代償となりますが、三日間我慢できたらセーフ。お試し期間があるので、契約者にも優しいですね。

魔物になるリスクを負っても守りたいもの。彼の妻子に対する愛や、領民に対する想いこそが、重大な決断をさせる大きな契機になっている筈。

しかし本作では、ヴラド公の苦悩について、ルーク・エヴァンスの眉間のシワに全てを託しています。
公の妃にしても旦那が急に人外になって、割とスンナリ受け入れる。柔軟な思考の持ち主です。

内面描写に割くカロリーまでZEROな仕様で、ややもすれば急ぎ足な印象です。
節約したカロリーを消費したアクションシーン。一人 対 大軍の構図には無邪気にワクワクしました。

最後の戦いのダークな雰囲気は好きなんですが、やっぱりタメが足りなくて、どこか物足りなさが…。

…以上、難点ばかり挙げてますが、鑑賞後の後味はそんなに悪くないです。
コンパクト過ぎるきらいはあるものの、そもそもドラキュラという有名過ぎる題材が前提にあるので、性急な展開もアリといえばアリ。
バンパイアが出てくるだけで評価が甘くなるのは自分でもナゾです。

弱点を抱えたダークヒーローとしてドラキュラを描く。試みは大成功とは言えず、続編を匂わせるラスト。
個人的に好きな設定なので、次作がもし実現したら観ます。今度は映画館で。

ドラキュラが主人公なのに、血が、流血が足りない…なんて思ってません。
自分、ジェントルマンなんでね‼︎