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ドラキュラZEROのTELのレビュー・感想・評価

ドラキュラZERO(2014年製作の映画)
2.2
<エンディング直前のシーンは蛇足>

前半は非常に面白かったです。

オスマン帝国の脅威にさらされる小国の王である主人公が、帝国からの無茶な要求を拒み戦争になってしまう、というところから映画はスタートします。

民衆を守るため、そして愛する家族を守るため自分を犠牲にし、悪の力を手に入れオスマン帝国に対向するというのがおおまかな内容です。

恐ろしいい力を手にしたドラキュラの力と数で勝るオスマン帝国との壮絶な戦闘アクションが見もの、というよりも王と家族や家臣、民衆とのヒューマンドラマが結構厚く描かれています。優しい心を持つ悪魔が魅せる深い愛情がじんわりと心に響く演技も素晴らしいと思います。

ただ、惜しむらくはストーリーが面白く無い。なんというかスカスカというか、物語があっという間に進んでいくというか、ドラキュラという設定をうまく使えていないというか。。。

アクションかヒューマンドラマかどちらかに集中させて映画を作ったほうが良かったのではないかと感じます。そのせいか見終わった後、映画を思い返しながら記憶の中で再度楽しむことが全く出来なかったですね。

そして最後のシーン、急激に変わる世界観とシチュエーション。なんでこんなシーンを入れてきたのか意味不明。言いたいことはなんとなく分かりますが、あえてこんなシーンを入れなくても良かったんじゃないかと思ってしまうんですよ。このシーンがなければある程度上手に全体をまとめることができていたと思うのですが。。。

というわけで、おすすめは出来ませんが戦闘シーンの映像表現の美しさや愛しあう家族のヒューマンドラマをそこそこ楽しみたいのであれば見に行っても良いのかなとは思います。
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