COZY922

リピーテッドのCOZY922のレビュー・感想・評価

リピーテッド(2014年製作の映画)
3.4
記憶喪失、認知症、若年性アルツハイマーなど記憶障害を扱った映画は多いが、今まで大外れしたことがない。それは記憶が過去と現在を繋ぐ、言わば人生の営みそのものだから。楽しい思い出も辛い経験もひっくるめて、生きてきたことの証。だからドラマになる。

主人公は記憶が1日しか持たない女性。眠って目覚めるたびに記憶がリセットされ意識は20代前半の自分。毎朝写真や録画を見、話を聞かされて、自分が結婚していることを知るところは、まるっきり「50回めのファーストキス」と同じ設定。が、そこから先はどちらかと言えば「メメント」を彷彿とさせる。

登場人物が非常に少ないことも相まって展開は予想しやすく、真相追究系の話としてはやや物足りない。けれど全編を覆う不気味で不穏な空気や、誰のどの言葉を信じればいいのかの疑心暗鬼、よりどころの無い不安と焦燥感が募る終盤はリアリティを伴う怖さがあった。昨今、これくらいのことは十分あり得るなぁという現実的な怖さ。そして、ニコール・キッドマン、コリン・ファース、マーク・ストロングの演技や表情も巧みで、皆不確かで怪しく見える。

おもしろいけれど、ラストが尻すぼみなのは否めないかなぁ。確かに途中ハラハラするけれど、着地点で大きなカタルシスを感じたとは言い難い。豪華なキャスティングだけにもうひと捻りふた捻りあればより上質なサスペンスになったと思う。