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リピーテッドのsymaxのレビュー・感想・評価

リピーテッド(2014年製作の映画)
3.4
"私はクリスティーン・ルーカス40歳…記憶喪失…今夜眠りにつくと今日の記憶は消える…1日の全てを忘れる…朝目覚めると、頭の中はすっかり若い私…でも本当は私の半生は終わっている…"

事故により記憶が一日しかもたないクリスティーン…毎朝、起きて驚いた様子のクリスティーンに夫ベンは説明するのです…二人の馴れ初めから結婚、今に至る経緯まで…

クリスティーンは、主治医ナッシュの治療の一環として映像日誌を残す事に…昨日のクリスティーンからのメッセージから、一日しかもたない特殊な記憶障害となった原因を少しずつ理解するクリスティーン…やがて、夫ベンと主治医ナッシュの説明が微妙に違う事に気がつくクリスティーン。

…昨日の私と共に真相を探る今日の私…

GYAO!で何となく気になり、全く未見で内容も知らなかったのでポチっと見始めたのですが、中々どうして良く出来たサイコ・スリラー。

記憶が一日でリセットされる〜この設定をロマンチックに使うとドリュー・バリモアとアダム・サンドラーの"50回目のファーストキス"になるところ、上手いことスリラーの小道具として使い登場人物の誰もが怪しい…一方で、極力無駄な表現を排し話を複雑過ぎないようにして100分を切る丁度良い長さにまとめ、作品全体に緊張感を持続させている点にも好感が持てます。

とは言え、それだけでは例え時間が短くても観客は飽きてしまうと思うのですが、そこはコリン・ファースとマーク・ストロングの"キングスマン"コンビに加え、クリスティーンを演じたニコール・キッドマンという豪華な俳優陣の演技力があったからこそと言えます。

この3人、みんな怪しい…

ただ、ちょっと残念なのはニコール・キッドマンが妖艶すぎて、悲劇のヒロインとして捉えづらいところがありまして…まぁ、クリスティーン自体も怪しく狡いと言えば狡いのでそういう意味ではこれくらいエロい感じを醸し出すのは役の上でも必要だったのかもしれません。

思わぬ感動も待っている話ではありますが、よくよく考えると、登場人物の誰もがクセがあり、観客は複雑な心境に陥るという捻った作品でもあります…
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