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ザ・ウォークのamokのレビュー・感想・評価

ザ・ウォーク(2015年製作の映画)
4.0
フィルマークス試写会にて鑑賞

もしかしたら初めてかもしれない。
本当に手に汗を握ったのは…
高さ411m、地上110階のワールド・トレード・センターにワイヤーロープを渡して命綱なしで綱渡りをした人の話。
しかも、この狂気の行動は実話だというのだから驚きだ!

そんなスリルに満ちた映画だけど、それだけじゃない。

プレモルの手法で始まるお洒落な映画でもある。
※プレモルの手法とは
プレミアムモルツのCMで使われる手法のこと。モノクロの映像の中で1アイテムだけカラーにすることにより、そのアイテムが際立つ。僕が勝手にプレモルの手法と呼んでいる。

主人公フィリップ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)とその恋人アニー(シャルロット・ルボン)の出会いから恋に落ちるまでの流れがお洒落。
反発による出会いからちょっぴり強引に、でも自然に惹かれ合う姿が素敵。

音楽も感情のナビゲーションをしてくれるように、とても効果的に使われていてお洒落。
『ザ・ウォーク』だけにウォーキングベースが印象的な曲も使われていた。

フィリップのストーリーテリングで物語が展開するところもお洒落。
実話であることを自然に解らせてくれる。

綱渡りの映画がこんなにお洒落になるなんて想像していなかった。
ある意味期待を裏切られた!

期待を裏切られたと言えば…
『ザ・ウォーク』と聞いて僕が想像していたのは、主人公が脅威の偉業を成し遂げるまでの成長物語と高所体験を3Dでみせる新たな映像表現が見どころの映画になるんじゃないかと思っていた事。

でも実際は違った。

はっきり言ってフィリップの成長する姿も3Dでの高所体験も想像以下で、あまり心を動かされなかった。

でも、見どころは他にあった。

この映画では成長ストーリーなんてどうでもいい。
この狂気の計画を如何に成功させようかと奮闘するところが全てで、そこにスリルを感じる。

綱渡りのパフォーマンスだけじゃない。
もしかしたら、ワールド・トレード・センターにワイヤーロープを渡すシークエンスが一番スリリングだったかもしれない。

こんな計画許可が下りるわけないので、無断で実行している。
もちろん違法なのだ。
その違法行為を実現させるため、心理テクニックを利用して堂々とビルの中に入り込み、人目を盗んで舞台を整えていく。

地上110階の高所というシチュエーションで、真夜中から日の出までの限られた時間の中、警備員や作業員の目を盗み作業を進めていく。

プレッシャーがビシビシ伝わってくる。

隣の人が唾を飲む音が何回も聞こえてくる。

気がつけば僕の手のひらもびしょびしょだ。
これが手に汗握るってことかと、この時生まれて初めて実感した。

色々と期待を裏切られた部分はあるけれど、ワールド・トレード・センターの屋上から見渡すニューヨークの街並みは美しく、息を呑むようなスリルは一級品でした。

とても楽しめましたよ(・Д・)ノ