MasaichiYaguchi

ザ・ウォークのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ザ・ウォーク(2015年製作の映画)
4.0
映画はひと時、普通の人が簡単に行けないような宇宙や深海、最高峰に連れていってくれたり、未来や過去にタイムスリップさせてくれる。
本作では2001年のアメリカ同時多発テロで崩壊してしまったニューヨークのランドマーク、ワールド・トレード・センターのツインタワービルが蘇る。
このツインタワービルは1976年の「キングコング」の終盤の舞台として、そして同時多発テロをテーマにした2006年の「ワールド・トレード・センター」でモチーフとして映画で取り上げられている。
この映画では、主人公で実在の人物、フランス生まれの大道芸人フィリップ・プティの夢の象徴、そして人生の目標として登場する。
3D版の試写会で本作を鑑賞したが、後半登場するこのビルの屋上から見るニューヨークのパノラマは正に鳥瞰図で、3D映像で強調された奥行きで思わず手に汗を握ってしまう。
本作は、1974年にフィリップ・プティがこのツインタワービルの北棟と南棟にワイヤーロープを張って綱渡りを行った実話を、ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演でロバート・ゼメキス監督が映画化した。
無謀というより狂気に近い挑戦を、どのような男が、どのように実行していったのかを、ユーモアや人間味豊かに描いていくので、ハラハラしながらも主人公たちを応援したくなる。
主人公のフィリップは幼い頃にサーカスの綱渡りに魅了されて“ワイヤー・アーティスト”を目指すのだが、一般に綱渡りはサーカスの演目の一つにしか過ぎないのを、彼は“アート”のレベルにまで押し上げる為、違法とは知りつつも人が思いつかないことをやろうとする。
ただ違法で人が思いつかないことをやるには彼個人の力では無理で、様々な人々が彼の夢、やろうとしていることに共感し、“共犯者”となって彼をアシストしていく。
彼の驚天動地のパフォーマンスは、当時海外ニュースで見た記憶が朧げにあるが、映画で再現されて改めて“体感”し、その凄さに圧倒された。
そして舞台となったツインタワービルがニューヨークの一部であったことに思いを馳せました。