Donatello

ザ・ウォークのDonatelloのレビュー・感想・評価

ザ・ウォーク(2015年製作の映画)
3.2
本編とは関係ない話だけれど、109シネマズエキスポシティにあるIMAX次世代レーザーは本当に卑怯。
最早IMAXって言うよりオムニマックスじゃないかっていう傾斜とスクリーンの歪曲具合。
あれ名古屋にください。くれよ。
『スター・ウォーズ フォースの覚醒』を観たいが為に行き、「IMAXは折角だからエグゼクティブシート派」なので予約しようとしたら、公開から1ヶ月経ってるのに夜まで席が空いてないという展開。仕方がないから丁度いいやとその間に本作を見た訳ですよええ。

【体験型映画の危うさ】

ある意味凄い。
WTCの綱渡りメインで120分。
迫力はあるし、観ていられない事もない。
けれど『ゼロ・グラビティ』と同じで、50インチ程度のTVで観ても多分それ程までには感動出来ない気がしないでもない。
しかも『ゼロ・グラビティ』はなんとか複数回の鑑賞に耐えられるけれども、これは今すぐもう一度観たいとまでは思えない。
要するに劇場だからまだ良かったのだと。

CGも凄いのだけど、ピーター・ジャクソン版『キング・コング』終盤のNYを彷彿とさせる色調の「CGよくできてるなぁ」という、驚きのない空間映像。
綺麗だけれどあくまで「CGにしては」という前提付き。
実際の空撮映像にWTCを足すような感じならば多分また違った印象だったのではないかと思うところ。

師匠であるパパ・ルディとのエピソードはほっこりするし、仲間との関係を描いた描写も悪くない。
それでもどうしてか最後までのめり込めずに観ていた。

何故だろうかと散々考えた挙句、『マン・オン・ワイヤー』で十分だったと、別に物語にする必要はなかったんじゃないかと、そういう感想に至った。

寧ろいっその事、上映時間の半分以上使おうとも、本題の綱渡りを機材の設置から渡り終えるまでを完全にリアルタイムで、余計なBGMなど入れず、フィリップ視点のPOVを盛り込んで、「劇場で観なかった奴は後悔しまくる」的な完全体感型にしてもらったら、3D映画の真骨頂作品になったんじゃなかろうかと、序盤のポールが落ちてくるシーンでマジ避けした僕が申しております。
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