かや

グラスホッパーのかやのレビュー・感想・評価

グラスホッパー(2015年製作の映画)
1.8
今年公開映画121本目。

トノサマバッタは密集したところで育つと、群集相と呼ばれ、緑ではなく黒くなり、凶暴になる。これは人間も同じだ。
タイトルのグラスホッパー(grasshopper)はバッタを意味する。

伊坂幸太郎の小説の映画化。
原作も読んでます。

映画評で原作との比較はあまり良くないと思ってますし、本を2時間の映像にするのは非常に難しいことだとはわかっています。
それでも言いたいのは、これはもはやグラスホッパーではないです。


まず映画の良かったところから。
千葉でセットを組んだらしい、スクランブル交差点は素晴らしかった。
本当に渋谷で撮影してるような感覚に陥るほど。

キャストも良い。
生田斗真は鈴木を演じるにはかっこよすぎるかなとは思ってたけど、平凡な雰囲気があり悪くなかった。
それ以上に鯨役の浅野忠信と蝉役の山田涼介と槿役の吉岡秀隆が素晴らしい。
3人ともちょっと気持ち悪い特徴的なキャラクターに仕上げてた。
蝉役山田涼介の最初の長回し風なナイフアクションは最高でした。

原作関係なく、逆に映画として悪いところ。
うまくまとめてる風に見えるような気もするが、実際はなんかゴチャゴチャしている。
それにこの脚本だと鯨と蝉が必要である理由がない。
自殺屋なのに一回も自殺させないし…

そして最悪なのが後出しジャンケン。
実は~でした。を最後に喋り倒してネタを明かすんだが、それ聞いても運良かっただけじゃんとしか思えない。
てか後出しは、驚く人より、ズルいって思う人の方が多いからやめてくれ。

あとは怒り叫ぶセリフが多かったり、無理に感動させるような作りはいかにも邦画って感じ。
菜々緒なんかずっと怒ってたし、蝉と岩西とかの絆みたいなのを無理に捩じ込んでた。

そしてあの少年はなんなんだよ。
無理矢理すぎるだろ。本当に最悪な演出。

原作からの改編が全て改悪に繋がってるから、それなら最初から忠実に原作に沿ってやってほしかった。
一番変えてほしくなかったところはネタバレコメントに書きます。
原作読みたいって思ってる方は見ないでね。

今年ニュースで取り上げられることも多かった違法危険ドラッグや、すぐ写真撮るような野次馬たちなど、社会的なメッセージが込められていることは感心できる。
キャストも魅力がある。

ただそれ以上に演出、脚本が残念。
特に原作ファンには受け入れがたい作品にはなってます。

キャストの誰かのファンって方は観に行ってみてはいかがでしょうか。