わたがし

グラスホッパーのわたがしのレビュー・感想・評価

グラスホッパー(2015年製作の映画)
5.0
 とにかく陰惨で面倒臭いぐらいにネチネチした演出で面白いのか面白くないのかよくわからないドラマを展開しながら、途中で突然ありえないほどスタイリッシュになったりダサくなったりを繰り返し、後味はいつも必ず「良い…」!前作の『脳男』の時もそうだったし、中学生の頃に観た『イキガミ』もそうだった(交通事故描写が精神的に厳しすぎてトラウマになった)。瀧本智行監督、犬の感動映画やはやぶさ帰還映画を撮ったりして職業監督のフリをしているけれど、実際のところは物凄く個性の強い作家主義的な映画監督なのではないかと思う。
 前作の『脳男』で幼稚園児が丸焦げになる様子を長回しで撮ったように、今回もそれはそれは酷い死に方をする男の死体をじっとり撮ってみたり(しかもその現場にいる一般人の描写に悪意ありすぎ)、千切れた身体の一部をわざわざカットを変えて堂々と映してみたり、圧倒的に残酷描写が冴え渡っている。しかもちゃんとPG12は守ってる。それでも血はちゃんと満足の出来るぐらい大量に吹き出るし、飛び降り死体もちゃんと血が道路にどばっと広がる。こういう普通のメジャー邦画なら避けがちなところをちゃんとやる精神が本当に好きすぎる。
 そして上記の要素も含めてとても全体的に韓国映画を意識したような作りになっていて(判り易すぎるオマージュもある)、ハリウッドのことばかり敵対視するんじゃなくて韓国映画もそろそろ意識していこうな、みたいな雰囲気も漂わせている。完成度の話は置いといて、とにかく製作陣と監督のそういうナイスな精神性や心意気をじんじんに感じる。それだけで泣けるし自分にとっては十分にアツすぎる。
 演技はとにもかくにも山田涼介が素晴らしすぎて山田涼介万歳!!アクションがめちゃめちゃ動けるのはもちろんのこと、ジャニーズ俳優なのにめちゃくちゃ気持ち悪いし返り血浴びまくりパラダイス。一歩間違えれば漫画臭いキャラになりがちな難しい役柄をちゃんと本気で演じているし完全に上手すぎている(正直、あんまり期待してなかったので本当に驚き)来年は森田剛の『ヒメアノ~ル』もあるし最近のジャニーズ俳優の「どんな役でもやります!」感が凄い。本当に頼もしすぎる。
 今年何回言ったかわからないけれど、本当に邦画の未来は明るい。明るすぎている。失明寸前。もちろんまだまだ凸凹の状態だけれど、近い将来、きっと楽しい映画の国日本になっているはずだと確信する。R18のホラーやコメディもGのファミリー大作と同等に扱われ、どメジャー映画な予算で『ウルフ・オブ・ウォールストリート』が撮れる時代がやってくるに決まってる。それまで待ってろ日本映画界!俺が最高の映画を撮ってやる!ウワーッ!撮ってやるぞ!ウワーッ!アリシア・ヴィキャンデル主演に映画撮るぞ!!ウワーッ!