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100歳の華麗なる冒険のstanleyk2001のレビュー・感想・評価

100歳の華麗なる冒険(2013年製作の映画)
3.5
『100歳の華麗なる冒険』
Hundraåringen som klev ut genom fönstret och försvann(2013)

「ワシを殺したいなら急いだ方がいいぞ。100歳だからな」

飼っていた鶏を狐に殺された主人公アラン(100歳)は復讐を誓い鶏小屋にソーセージをくくりつけたダイナマイトを設置して一晩中見張り姿を表した狐がソーセージに食らいついた瞬間点火スイッチを入れて鶏小屋ごと狐を爆殺する。これが原因でアランは老人ホームに収容される。

アランは少年の頃から爆弾すに取り憑かれている。大きな力が放出されるのを見るのが何より楽しい。時々誤ってたまたま居合わせた人の身体がバラバラになるのが残念だが。

100歳のアランは老人ホームの暮らしに退屈して窓からスリッパのまま脱走する。

長距離バスにでも乗ってみるかと待合室で待っていると大きなスーツケースを持ったスキンヘッドの悪そうな若僧が「トイレの間、荷物を見ていろ」と言ってアランにスーツケースを預ける。ちょうどそこにバスが到着したのでアランはスーツケースを引いてバスに乗り込む。

スーツケースの中に入っていたのは大量の札束。ギャングが親分に収める上納金だったのだ。

中身を知らないアランの華麗なる放浪の旅が始まり金を取り返そうとするギャングがアランを追跡しアランの失踪届を受理した刑事が捜査を開始する。

アランを巡る現代とアランが回想する過去が交互に描かれる。スペイン内戦にたまたま加わったアランはたまたまフランコ将軍の命を救う。アメリカに渡ったアランはたまたまマンハッタン計画に参加してオッペンハイマー博士を助けて原爆開発を成功させる。ソ連に拉致されたアランはスターリンを怒らせて強制収容所に送られてたまたま居合わせたアインシュタインと脱走。アメリカに戻ったらCIAから原爆の秘密を求められて二重スパイになる。

純真で素朴なアランはただ爆発が好きなだけなのに色んなことに巻き込まれる。なにしろ100歳だからヨロヨロウロウロしてる内に事件が大きくなっていく。

ヨボヨボ老人が騒動に巻き込まれるが何とかなってハッピーエンドで終わる。楽しいホラ話なのだが「次々と死んでいくギャング」がお笑いポイントですよーと提示されるのはいささか参った。

ヨーロッパの短編アニメなんかにもある死を笑う残酷さだ
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