ぎー

レヴェナント:蘇えりし者のぎーのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
2.5
「死など、もはや怖くない。一度は死んだ身だ。」
イニャリトゥ特集3作品目。
映像滅茶苦茶綺麗、リアリティに溢れる演出も凄い、音楽音響も迫力満点、そして、ディカプリオをはじめとした出演者の演技は驚異的!
ただ肝心のストーリーが、言ってしまえば面白くない。
157分という長尺なのに、ストーリー展開は遅々として進まず、しょうがないのかもしれないけど、起伏も小さい。
なのでどうしても集中力が切れて飽きてしまった。
勿論、雄大な大自然を前に人間の非力さを感じさせる映画かと思いきや全く逆で、人間の強靭な意思の力、生命力を感じる事はできたけど。。

1番印象に残っているシーンは、冒頭ハンターの一団が先住民の襲撃を受ける場面だった。
映像や音響の大迫力に度肝を抜かれた。
と同時に、リアリティを求めた容赦ない演出にビックリした。
カメラに向かって飛んでくる斧は、画面越しでも恐怖を感じた。

主人公のグラスが熊に襲われる場面のインパクトも凄かった!
よくクマを退けたおじさんがニュースになっているけど、この熊とは絶対に闘わない方が良い。
クマのリアリティも凄かったな。

隊長のアンドリューは良い人だった。
自分達を導いてくれたグラスを置き去りにすることを最後まで逡巡し、彼が生還した際には一瞬の迷いもなく自らの身を危険に晒して、グラスを置き去りにしたフィッツジェラルドを討ちに行った。
グラスがもはや人間を超越しているので、僕らはどっちかというとアンドリューに感情移入しやすかったかな。

フィッツジェラルドは本当に悪者だった。
一瞬も良いところが無かったのが気持ち良いくらいだった。
若者ブリッジャーは俳優がウィル・ポールターで『デトロイト』の印象が強すぎたからまた悪役かと思いきや、純粋な若者だった。

生き延びたグラスの旅は壮絶。
馬の死体に入って一夜を明かすところとか、言葉がなかった。
これが実話をベースにしているというから凄い。

世間で評価されているように映像表現は本当に素晴らしいけど、いかんせんワクワクしない一作だった。
でも、ディカプリオが評価されてオスカー獲れたのは良かった!

◆備忘ストーリー
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/レヴェナント:_蘇えりし者
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