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彼方からの手紙の8637のレビュー・感想・評価

彼方からの手紙(2008年製作の映画)
3.4
同監督の「5windows」と迷ってこちら。うぅん...選択をミスったみたい。

瀬田なつき監督が13年も前からあんなにヌーヴェルバーグなモノローグ×ショットを撮り続けていたことには驚いた。スカイツリーではなくタワーをTOKYOの象徴にしていた時代。そんな頃にも、そこに暗い夜なんて無かった。

映す自然は良いが、映る主人公がノイズ。吉永は、倫理観の欠如に自分でいつまでも気付かないタイプの人(大事を引き起こしておいてハンバーグを食べに行く事を選ぶ、手紙を食べる)。特に脈絡もなく惨事に"巻き込まれにいってる"のは演技が下手なだけなのかな(歯磨き中に何故か咳き込む、バスまで走って追いついたのになぜか乗らない)。鼻血のシーンは、監督ってこんな事をするのかと冷めた。もしかすると監督自身が男性を描くことに慣れていなかったのかもしれない。
反対に、由紀を上手く描く為に敢えてそうしたのかもしれない。存在こそミステリアスだが、監督の作品にいる女性はいつもあんな感じ。ただ、吉永を陥れようとして(?)連れてった"あの部屋"での彼女の思いは汲み取れなすぎて。
ここまで登場人物の感情が読めない映画もなかなかないな。

でも正直"あの部屋"の発想は天才だった。いや、もしかしたらあれはただのダンスシーンなのか?あれを撮影したのはさすがにセットなのか、知りたくなった。
問題点は、そのシーンまでが長すぎる事。

瀬田なつき監督だからという前提のポテンシャルと朝倉あきでこの点数は成り立ってる。これだったら「5windows」を選ぶべきだったかも。
サンクスシアターあと1本。さて、どうしようか。
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