芸大院1期が誇る超傑作。キャスティング濱口竜介キャメラ佐々木靖之音楽HEADZの木下美紗都そして監督瀬田なつき。今から10年ほど前iphoneとかが誕生したくらいのとき。遡ると10年という歳月は長いようで短いようで、そんな時間の経過を感じさせる瀬田なつきの初期衝動もう突き刺さって抜けない。
観覧車、ベランダなどの縦構造による映像と、ロードムービーとして成立させる横構造、縦と横とが交差する見事な空間構造。そこに過去と未来の入れ子構造。黒沢清ヴェンダースエドワードヤンそれらを意識させつつも、時間場所関係あらゆるものを飛び超えていくそのジャンプ力はあまりに魅力的で泣きたくなるほどにエンタメで詩的で胸が苦しくなる。ラストの景色と少女の名前までリンクさせる語らない演出もとにかく素晴らしいし、濱口竜介「passion」にも劣らない瀬田なつきの最高傑作。スチャダラパーもオザケンもとにかく好きだぜっていう監督の感じもまた最高に良い
