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くちびるに歌をの917のレビュー・感想・評価

くちびるに歌を(2015年製作の映画)
4.0
思春期ならではの純粋無垢さと、葛藤を抱えながらも未来の自分に幸せを願う、感動の青春合唱ストーリーの傑作。あのくだらないことで語り合い、喧嘩し、やる時は皆で助け合いやり遂げる思春期にしか味わえない学生生活が尊くなる。改めてもう一度、十五の時に戻り時を過ごしたくなる、そんな1作。

[あらすじ]
→長崎県の離島にある中五島中学校。産休に入る教師の代理として、東京から美人のピアニストがやってくる。合唱部の指導も任されるが、過去の出来事から心に傷を負った彼女は中々子どもたちに、ピアノに心を開かない。様々な葛藤の中ですれ違う彼女と生徒は、未来の自分たちの幸せを願い、心を成長させることができるのか……。

[レビューとみどころ]
・「青春って、すごく密なので」という言葉が流行語になるように、思春期の学生生活は物凄く密で、愛おしいものだ。それを、本作品は上手い具合に表現している。様々な葛藤を抱えながらも、協力し合っていく姿は涙が出る。高校生よりも心が繊細な中学生を題材にしているのに、ここまで上手く表現できるのは凄い。

・話の展開自体は、そこまで変化球でもない王道を行くものだが、かえって鑑賞者の心を直に掴みに来れている気がする。「手紙」の内容に沿うような形になっているのも感動する。歌、合唱のパワーは凄いものだが、あの時期のあの時にしか歌えない歌が儚く尊いものであり、良さを引き出していると感じた。

・また、ガッキーをキャスティングしたのも上手いなと思った。可愛くて明るいガッキーをあえて柏木先生の役にすることで程よいギャップが生まれて心地いい。合唱部の皆も、成長してからも現実で手紙を歌いYouTubeに上げる辺りも胸熱である。葵わかなや佐野勇斗など、日本映画を代表する役者の若い頃が揃っているのも良い。

👉青春時代のあの儚い一時を、もう一度味わい涙することが出来る感動の作品。歌には私たちには計り知れない、パワーと魅力が詰まっていると再確認できる。