牛猫

くちびるに歌をの牛猫のレビュー・感想・評価

くちびるに歌を(2015年製作の映画)
4.2
アンジェラアキの楽曲「手紙」をモチーフに描かれた原作を、話題のヒットメーカー三木孝浩監督が映像化した話。

想像していた以上、期待以上に、もの凄く良かった。
この監督の作品は何故か敬遠しており、観るのは初めてだったけど、映像から爽やかさ、10代の眩しさが伝わってきて、心が洗われるようだった。

舞台となる五島列島の風景や訛りが異様に落ち着く。
元気なイメージのある新垣結衣の冷たい感じの役柄も、最初はどうかと思ったけど、いい感じにハマってたし、オンボロの車に乗る訳あり天才ピアニストっていう設定が面白い。

しかし、この映画の主役はどう考えても生徒達。
特にサトルとナズナはそれぞれが心に抱えるものに対する苦悩や、切なさがこれでもかと伝わってきて胸が熱くなった。
終盤の合唱シーンでは歌声の素晴らしさと、学生時代の合唱コンクールにもっと真剣に打ち込んでおけばよかったという後悔が同時に押し寄せてきて、込み上げてくるものがあった。
学生の方にはもちろん、合唱コンクールを経験した大人にも観て欲しい作品。
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