メル

Mr.ホームズ 名探偵最後の事件のメルのレビュー・感想・評価

3.5
世界大戦後間もない1947年、93歳となったシャーロックホームズは自分が引退するきっかけとなった事件について思い出そうとしていた。
しかし痴呆が進んでしまい昨日の事さえ思い出せない。

原作は2005年に出版されたミッチ・カリンの同名小説。

若い頃から友人も持たず、ワトソンだけが唯一の理解者だったが彼もこの世を去り、ホームズの孤独な生活は相変わらず。
家政婦( ローラ・リニー)の息子ロジャーだけがホームズにとっては幼いながらも強い味方だった。

30年前の最後の事件を思い出す事は改めて自分の孤独と無力さを思い知らされる事になる訳だけど、常に傲慢な態度で平凡な人間を馬鹿にしてきたホームズも、さすがにここに来て少し優しくなるのです。

真田広之が日本人の梅崎として登場しているが、原爆を落とされた広島も日本食も何だか奇しい(o_o)
そして山椒が物忘れに効果があるなんてもっと奇しい(笑)

ロジャー役のミロ・パーカーは「ミス・ペリグリンと奇妙なこどもたち」で口から蜂を出す男の子をやっていたけれど、今回はその蜂によってかなり痛い目に遭います。
顔の3分の一位の大きな目が印象的で、賢く逞しく、この作品の中では明るい未来を感じさせてくれます。
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