Marie

Mr.ホームズ 名探偵最後の事件のMarieのレビュー・感想・評価

3.8
ホームズが解決できなかった事件の真相を、事件から30年を経てホームズ自身が回顧するというストーリー。バリバリの推理映画ではない。
93歳のホームズは身体も記憶力も衰えヨボヨボ。なんとか忘れてしまった事件を思い出そうと奮闘する…。
そんな彼を刺激してくれるのは、ホームズが雇っている家政婦の息子ロジャー。ホームズとロジャーが少しずつ近づくと、家政婦との関係も少しずつ変化していく。老人と子どもの組み合わせは最高だと思う。

事実は大切なことだが、人を救うのは必ずしも事実だけではない。そこにスパイス(それは山椒かもしれないし、優しい嘘というスパイスかもしれない)を加えることで、人に寄り添うことができる。
そうして、それに気がつけば、人生の佳境に入った少し偏屈な頑固な人でも、変わることができる。

引っかかる所も多少あるのだけれど、後からじわじわと胸に迫る、そんな映画だった。
Marie

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