てくのすけ

デビルズ・ノットのてくのすけのレビュー・感想・評価

デビルズ・ノット(2013年製作の映画)
3.0
実話な上に判決が非常にグレーな事件をこういう形で映画化するのに驚き。珍妙な証言、謎の血だらけの男、隠された証拠、それらが導く先は誘導的だが勿論結論は描かれず、その意味ではストレスが残ります。息子を失った母親も悲しみより戸惑いの方が印象深い。

突き詰めるとこの事件自体の検証になってしまう気も。ただこれはミステリーではなく、警察組織、司法制度に対する告発であり、冤罪の恐ろしさであり、真実をないがしろにする人々への警鐘であるというのは言えるでしょう。終始付きまとう不穏な雰囲気は良いです。

ミレイユ・イーノスが『サボタージュ』に続きヤバいなど、周りが胡散臭いのばかりでそっちの方に気がいくけど、弁護士でもないコリン・ファースが一人気を吐く理由はちょっと薄い。デハーンも使い方が少し勿体ない気も。登場人物が多いので早いうちに名前と顔を覚えた方がよいです。
てくのすけ

てくのすけ