くう

ニュースの真相のくうのレビュー・感想・評価

ニュースの真相(2016年製作の映画)
3.9
2004年。ブッシュ大統領が再選を目指して選挙活動をしている真っただ中で、CBSニュースのプロデューサー、メアリー・メイプスがブッシュの軍歴詐称疑惑のスクープを報道した。

しかし、その報道には証拠の捏造疑惑が持ち上がり、関係者は窮地に陥る。

1つのニュースの裏に政治がらみの「証拠」「裏付け」「陰謀」などが持ち上がり、元々の報道内容がいつの間にか違う方向に捻じ曲げられて社会を騒がせるという、アメリカだけではなく日本でもアルアルな事象がセンセーショナルに描かれる。

理不尽を飲みこむヒロインの心境がヒシヒシと伝わって胃が痛い。

ネタをつかむ最初の部分までは正直あまり引き込まれず、このままずっと見続けるのはキツイかも…と思ったが、疑惑が起き始めてからはグイグイ持っていかれた。

ただの理不尽ストーリーに留まらず、そこに立ち向かうヒロインの仕事に対する葛藤は見応えある。

レッドフォードが演じるダン・ラザーの「ニュースは、じきに誰かに取材させそれを読み上げるだけの番組になる」というセリフも現にそうなってきている日本の報道を予言しているようで震える…。(ツイッターネタ報道が多くてビックリするもんね)

報道に携わる方、ネタ元の確証も取材もなくニュースサイトもどきを運営している方にも見ていただきたいと思う一本だった。

それにしてもケイト・ブランシェット、美しいね!
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