えりみ

ニュースの真相のえりみのレビュー・感想・評価

ニュースの真相(2016年製作の映画)
4.4
WOWOWで。
2004年米有名報道番組のスクープの真偽を巡って大炎上!ネット叩きも相まって超有名ベテランキャスターとプロデューサーが業界から抹殺されたという実録モノ。ネット民の存在が大きくなったのはコレきっかけなのかな?
クビになった女プロデューサーの自伝を基に脚本家として実績のある人が監督も兼任して映画化。初監督作とは思えない出来(メインキャスト2人によるところが大きいとは思うけど)。
ブッシュの軍歴詐称疑惑ってのは何となく記憶にある。でも立候補者の軍歴詐称って大統領選の度に聞くイメージなので気のせいかも。

女王様やエルフなど高貴なイメージが強いケイト・ブランシェットが、髪型変えるだけで子持ちのヤリ手プロデューサーに見えるから凄い。
次はアスガルドを滅ぼす?から更に凄くなるはずww
「ウィンターソルジャー」から1,2年しか経ってないはずやのにロバート・レッドフォードの顔の皺がどっと増えた気が…とりあえずサスペンダーしてればベテランニュースアンカーに見えるから不思議。

TV局のマスメディアとしての役割(政治的判断基準の提供)と企業としての利潤追求、報道は金にならないが金と時間を食うという問題。誤報は許されないので事実確認は厳に行う必要性があるが、ニュースには鮮度(〆切り)があるので時間ばかりかけられない。
このあたりののテーマは米ドラマ「ニュースルーム」でも扱っていた(2012~2014年放送、福島原発とか時事ネタを題材にしながら職場恋愛もあったり面白いドラマやったのにシーズン3で打ち切りに)。
「クライマーズ・ハイ」の「チェック、ダブルチェック」の台詞も思い出す。
偽メールにまんまと引っかかり地に落ちてしまった民主党も思い出す。
森友学園とか加計学園とか…あぁヤダヤダ

邦題からすると「報道番組がどう作られているのか」というイメージやけど、実際には「真実」が矮小化され闇に葬り去られていく様を描いている。10年以上経ってまた蒸し返されたTV局CBSはこの映画のCM放送を拒否!「公益に反するだけでなく、ジャーナリストへの酷い仕打ちだ」と非難したとか。
脚本家出身だけあってイイ台詞が
・ジャーナリストは「質問する」のが仕事
・他人のスクープを報じるのが報道番組なんてお笑い草
・皆さんに「勇気を」
仕事ばっかりじゃなくて、その後ろにある家族の関係にも触れているのも良かった。実父との関係が良好で無い分ダン・ラザーを父のように慕っていたのに引退の花道を台無しにしてしまったメアリーの苦悩とか。主夫と母親の仕事に憧れる息子の存在とか。
ジャーナリストが「取材」「報道」と称して一般人(取材対象者)を蹂躙する様をちゃんと盛り込んでいたのが一番評価した部分。
「FEA」が何を意味するかっていうの、1回引っ張っておいて終盤やっと何の略が分かった時のワシの顔(゜o゜)
えりみ

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