アメリカの著名キャスターだったＣＢＳのダン・ラザーの降板のきっかけになった2004年の誤報事件を題材に2016年製作の映画。ブッシュ大統領の軍歴に政治的配慮があったとする報道を追いかけるＣＢＳ報道班の取材が続き、放送に至った興奮もつかの間、重要文書の信憑性に疑いが出て、取材班は解雇／辞職勧告の憂き目を見る。現在のアメリカの党派的分裂の背景には大手メディアに対する不信があり、レッドフォード演じるラザーがいささか格好良すぎる事も含めて、処罰されたチーム寄りであることは否定できない。作中で文書の提供者の妻、ニッキーが主人公をなじる、「大物のあなたは田舎女だと馬鹿にしているだろうが、私は嘘はつかないし約束を守る」という言葉は今のメディアに不信を抱く一般人の気持ちを表現しているだろう。
