歌舞伎町のラブホテルを舞台に、とある日の24時間を描いた作品。
この作品の1番の魅力は"人物描写"。
デリヘル嬢にガチ恋する雨宮やドラッグプレイを迫る男など、ワンシチュエーションのみ出演のキャストも多かったにも関わらず、そのキャラクターのバックボーンから何とも言えないやるせなさまでが見事に表現されていた。
そして、配役上の主人公は徹(染谷将太)と沙耶(前田敦子)なのだが、作品を彩る上では間違いなくヘナ役のイ・ウンウも主人公の1人だろう。
底抜けの優しさを持ちながらも、母国で叶えるべき夢の為に行動し続ける芯のある女性を演じています。またラスト30分での彼氏との長回し、真実を打ち明け穢れを落とそうとするシーンでは強烈な愛を感じました。
他にも、鈴木と池沢の時効を待ち続ける2人や家出少女とスカウトマンなど、辛い過去を背負いながらも前へ進もう、この街から出ようという想いに、このタイトルの意味を感じさせられました。
あっちゃんは脱げないのは仕方ないが、脇を彩るキャストの体当たりの演技が素晴らしかった分、少し残念な役回りだったなと思いました。