TAKU

パージ:アナーキーのTAKUのレビュー・感想・評価

パージ:アナーキー(2014年製作の映画)
4.5
最高。1作目が酷くて2作目が傑作っていうパターンは珍しいんじゃないか?。あるとしたら、『マーダーライドショー』からの『デビルズ・リジェクト』という感じかな。とにかく、前作で飲まされた煮え湯をすべてパージ(浄化)して頂けて良かった。

前作がジョン・カーペンターの『要塞警察』ならば、その続編である本作は同じカーペンターでも『ニューヨーク1997』や『エスケープ・フロムL.A.』ライン。1作目は屋内での展開のみだったのに対し、本作の舞台は市街地で群像劇的な語り口。スケールや登場人物を増やしたことで前作にあった不備がほぼ改善されたように思う。

前作を観ていて疑問に思ったのは、1年に12時間犯罪OKにしたところで、犯罪率が低下するのかということ。本作を観ているとキチガイだけでなく、政府の殺戮部隊が犯罪者や貧困層の人たちを手当たり次第に虐殺しているので、「これなら、犯罪率も減るかもしれん」と思えた。また、パージによって経済が良くなるという理由に、台詞で「貧困層への支出が減った」というのでフォローしていた。

また、本作では、前作のような殺しを楽しみたい人間だけでなく、パージを私的制裁に利用する者、金のために活動する者、反パージ組織など様々な人間模様が展開される。それによって、前作よりも世界観に広がりを持たせることに成功しているのではないだろうか。

本作を観ていて何より嬉しかったのは、お祭り感が満載ということ。舞台が市街地になったことで、劇中いろんないかつい人たちが登場する。上半身裸に大きく「PIG」って書いてある人とか、メキシカンギャング風もいれば、火炎放射器を装備した奴もいる。仕舞には「私は聖なるメス犬だ」と叫びながらマシンガンを乱射するババアまでいる。こういう人たちが画面に登場し暴れる度に「僕が見たかったパージはこれだよ!」とウキウキ気分。特に、マッドマックス風の火炎放射器吹きまくる車が登場には度肝を抜かれた。

そして、主人公たちはセレブ達による道楽的な殺人にゲームに巻き込まれる。また、パーティ風でピアノの伴奏が流れる中、拉致してきた人間をオークションで競り落としているので、本当に厭な感じ。その後に「ざまぁ!」展開がしっかり描かれるので、前作の「隣の隣人を愛せよ」という説教臭いオチより全然良い。

本作のMVPはバーンズ演じるフランク・グリロだろう。『ウォーリアー』でヴェートーヴェンフリークのジムのオーナー役を好演していたが、本作では全身黒ずくめの格好でAKMSを携え、スティーヴン・セガール級の無敵っぷりを見せてくれる。余りに強いので、観ていて痛快ですらある。これだけ無双しているなら、来年公開の『キャプテン・アメリカ:シヴィル・ウォー』では原作でキャプテンを暗殺することになるクロス・ボーンズの役も務まるだろう。

個人的には、終盤の展開は「金持ちぶっ殺せ」でもっと押し通してほしかったと思うし、中盤で主人公一行がある家に避難したところで話のテンポが少し停滞していたというような印象もあるが、そんなのは許容範囲。

もう既に、フランク・グリロ続投で3作目の製作が進んでいるらしいので、この調子でどんどん続編を作って、いろんな街のパージを見せてほしいものである。