むーしゅ

最高の人生のつくり方/最高の人生の描き方のむーしゅのレビュー・感想・評価

3.3
 Rob Reiner監督の「最高の人生3部作」の記念すべき完結編!という冗談はさておき、恐らく日本側配給会社の都合で勝手に3作連続変なタイトルをつけられただけなので、その辺りはスルーします(詳しくは「最高の人生の見つけ方」レビューへ)。ちなみに本作は「ベスト・フレンズ・ウェディング」のP.J. Hogan監督が当初監督予定でしたが降板し、Rob Reiner監督にバトンタッチしたそうで、もちろん当たり前ですが最高の人生のつくり方の説明なんて全く出てきません。

 妻を亡くして以来独りで暮らしてきた頑固で変わり者のオーレンのもとに音信不通だった息子が突然現われ、9歳の孫娘サラを預かってほしいと頼む。オーレンは自身がオーナーを務めるアパートの隣人リアの助けを借りながら孫娘と一緒の生活をはじめることになる、という話。所謂、老人と子供系映画かと思いきや意外とそんな展開では無く、老人同士のラブストーリーがメイン。同じアパートの隣同士に住みながらも、性格や価値観が全く違う二人が孫娘サラをきっかけに心を通わせます。

 本作の見どころはまさにMichael DouglasとDiane Keatonの二人。この二人を見るための映画と言っても良いかもしれません。Michael Douglasといえば、父の成功とは裏腹に実の息子Cameron Douglasが麻薬関係で何回も逮捕されており、現実世界でも本作のオーレンと非常に近い親子関係です。その辺りの気持ちがのっているのかは知りませんが、オーレンの強がってるけど孤独という感情が表情に滲み出ていて、なかなか良いキャラクターです。対するDiane Keatonは同年公開の「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」と同様に本当にかわいいお祖母ちゃんを演じています。また歌手の設定なので歌唱シーンが何度もありますが、さすがは元ミュージカル女優。公開時68歳にも関わらず、その美声を披露しています。この二人は年を取るごとに魅力が増してるんじゃなかろうか。恋愛がどうなったかとかストーリーがどうなったよりも、この二人のキャラクターが生きていてそれをただ隣の家から見ているようなそんな映画です。そういう意味ではパンチにかける映画ではあるんですよね。ストーリーでぐっと来たい場合はRob Reinerその他作品の方が良いと思います。二人の役者のファンがときめくための映画かもしれません。

 ちなみに本作は記念すべき「最高の人生3部作」の完結編なので、Rob Reiner監督が自ら出演し率先して笑いを取りに行っています。さすがは元子役、自分のハゲとおデブをネタに体をはっているのでそこにもぜひ注目して欲しいです。なぜ本作でそうしようと思ったのは謎ですが・・テンション上がったのかな?
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