Qちゃん

Emma エマのQちゃんのレビュー・感想・評価

Emma エマ(1996年製作の映画)
3.1
ジェーンオースティン原作。これ昔観たものの全く思い出せなかったので再見したんだが、、

エマって、、ひたすら迷惑な女だな!
冒頭でも「お節介な娘」って言ってたが、ありがた迷惑にも程がある。得意げに見当違いな取り持ちババアすることに生き甲斐を感じてて、しかも自分より立場の弱い階級下の子にしたり顔で「貴方より私の方がよく分かってるから、悪いこと言わないからこの人にしときなさい」と遠回しに絡め取ってくる。時代を鑑みれば、結婚しか関心事がなかったこの時代の貴族の女性で居てもおかしくないタイプだが、今でも昔でも、絶対そばにいて欲しくないタイプの女友達だわ。。

あと、本作は他のジェーンオースティン作品以上に、金も地位もある階級ある者、荘園の主、人の上に立つ者として、英国貴族の負うべき義務と持つべき配慮というものを強く意識させられた。

それが完璧にできてるのがナイトリー氏。彼の良識的でお手本のような貴族的対応があるから尚のこと、若さ故(と言いつつこの時代の22才だからそこそこだけど、、)にそこをやりきれず、農家を侮ったりオールドミスに冷たく接したりしたエマの高慢さと無責任な言動が目につく。ただナイトリー氏の対応も、彼らが階級や経済的にフェアな立場ではない、世界の違う人間であることを当たり前のように大前提に見た、憐憫の情や慈善活動に近い行動で、対等な人間として接して評価してる結果ではないのが本当に時代の差と英国貴族社会の在り方を感じるところ。

てかエマと言い争うナイトリー氏の発言が正論と名言のオンパレード。

(貴族の娘に農家なんてと侮るエマに)「知性ある立派な農家との結婚だぞ!」「彼女は満足してたんだ、君が入れ知恵するまではな!」
「気弱な人間が虚栄心を抱くと不幸になる」
(美人で気立がよければ高望みしたって良いだろと反論するエマに)「分別のある男は愚かな妻は欲しくない!」
「誤用するくらいなら分別などない方がいい」

エマ、膨れてないで正座して聞いといた方がいいぞ!

あと「エルトンは甘い言葉を口にするが、行動は理性的だ」。うん、ナイトリーさんは同性への分析も観察も的確です。ナイトリーさんが出来すぎてて、最後の方の展開はちょっと嘘くさいメロドラマになってたけど。

エマは結局、ハリエットにとって最初から最後まで完全に厄災でしかなかったな。。いい話風に締めてるけど、私は心苦しいわ。

あと頼むから映画の長さ半分にして。。これに2時間はキツイ。。
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