テイアム

セッション9のテイアムのレビュー・感想・評価

セッション9(2001年製作の映画)
3.6
 実在する廃墟、1871年に建てられ、かつて2,400人の患者を収容しながら非人道的な処置が問題視され1985年に閉鎖したダンバース州立精神病院跡地を舞台に描かれるサスペンス・スリラー。

監督は「マシニスト」のブラッド・アンダーソン。

この映画、何が怖いか?
それがどうしても上手く説明できない。

「目に見えない何か」が確かに漂い、登場する人物と観る者の精神を蝕み、暗闇の一角に佇む恐怖が我々の背後を静かに見つめている。

グロテスクなシーンがほぼ無いにも関わらず、冒頭の数分から薄っすら香る、どことなくぎこちない人間関係のきな臭さと、恐怖の匂い。

そして実在する精神病院の廃墟をそのまま撮影に使っている効果もあり、セットでは出し得ない建造物そのものが放つ不気味さは異様そのもの。

更にこの病院でかつて実際に行われていたという「ロボトミー手術」を初めとする非人間的な治療法に纏わるエピソード、またその処置室の様子は観る者の想像力を嫌と言うほど掻き立てる。

診療(セッション)テープが進行していくに連れて増幅する、この上ない気味の悪さがたまらない。

大作慣れしてる人はあまり楽しめないかもしれないし、派手な演出を好む人には物足りないかもしれないが、ありがちなホラーやサスペンスとは全く違う、異質の恐怖だった。

私はDVDを買ってしまった。

でも嫌だ。
もうあの音を、あの声を聞くのが怖い。