穂苅太郎

悪魔は誰だの穂苅太郎のレビュー・感想・評価

悪魔は誰だ(2012年製作の映画)
4.0
とてつもなくウェルメイド。でもなぜだろう、二時間ドラマの匂いが最後まで取れなかった。
プロットは緻密、脚本は抜群。演出も冒頭20分間の畳みかけるような展開は見事。
まずは模倣犯基盤なので、時代またぎの同一シーンカットバックが連続するが、特徴があるわけではないが、雰囲気を醸すことによって母親や娘の混同はしなかった。これ結構至難の技だと思う。
本当によく出来ているのだが、どうしてだろう?二時間ドラマ的なチープさがぬぐえなかった。
映画的な一見無駄に思える“間”とか普段は増長に感じる“心象風景”シーンなどがほぼ皆無なのが原因かもしれない。
ストーリーを回すことにいっぱいいっぱいなのだ。
いかにミステリーやトリックやツイストが良くても、人間を描き切っていなければ名作にはならないのだろう。
いや本当によく出来ているのだけど。
穂苅太郎

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