原田マハの「風神雷神」を読んで天正遣欧少年使節団の道のりを知り、ドラマ「マギ」でさらに映像で知り、そして遠藤周作の「沈黙」
なぜ信徒の苦しみに神は沈黙されるのか。
史料を元に江戸末期ポルトガル人司祭の目を通して描かれる日本のキリシタン弾圧。
遠藤周作の作品は世界で読まれるキリスト教小説であるらしい。
難しい。
ストーリーが、ではなく。
キリスト教でもイスラム教でも生を捨ててまで信じる価値が理解できないからだと思う。
これほどまでに信者を痛めつけて、命を奪われることもあるのに何故、主は「沈黙」するのか。誰も見たことのないパライソを信じるのは、と。
キチジローはキリシタンなのに告解したり、パードレを売ったりやりたい放題。笑いが出そうなくらい酷い。
踏み絵しようがなんだろうが心で信じてるってんじゃダメなのか？っていうのはロドリゴの気持ちなんだろうな。
欧米では神父の犯罪を信じなかったり、信者がその話で卒倒したり、この映画が18禁だったりと宗教で命の価値観が全く変わってしまうことは恐らく日本人には理解できないだろうな。
そこここに神がいて感謝するアミニズムが染み込んでいるのだと思うから。
弾圧の酷さは映像にするとより残酷だ。
浅野忠信、良かったな。
